2022/10/22

オッケー、グルグル。

 




この数年間、山中の工房で過ごしている

三方はすぐ山

一方は少し離れたとこに山

隣は小川

夏は日差しがきついし

冬は寒さがきついし

春から秋にかけて湿気がきつい

季節ごとにいろんな生き物がやってくる

蛇、猿、鹿、猪、その他昆虫たち

みな生きるのに必死なので、お友達感覚で気楽には付き合えない(戦いに近い)


都会暮らしが長かった自分にとって

良くも悪くも、この場所は自然に満たされている


季節ごと気候ごとに表情を変える、工房となりの小川を観察していると

自然とは流れだ、と思う

始まりも終わりもない流れ、ただぐるぐると

生き物は皆あますところなく、そのぐるぐるのなかで生きてる

流されず、抗わずに

余計な考えもスタイルも持たずにただそこにある











自然と共にあるお隣の犬をみていると

自分には程遠い境地に思える

それでも、少しずつでも学びが感じ取れるこの環境は、悪くない。








2022/01/08

頑張るとか自由とか

やりたいことできて、
好きなことを仕事にできて、
自由人で、
いいですね。
と言われると苦笑いしてしまう。

この仕事は確かに好きだし、自分にむいてると思う。
でも、好きなことをやってる、という意識はない。
仕事としてやってみて、好きになってきた、という感じ。
人生を自由に生きている、という認識なんて全くない。

子供の頃から、若い頃から、
自分自身と周囲とのギャップに翻弄されて。
息ができないような苦しさを抱えて(その苦しさにすら気づいてもいなかった)
なんとか社会とか世間とか世界とかの中で生きようとしてきた。
ここしか行き場が、生き場が、ないと思ってた。
その苦難の結果の連続が、はたから見ると自由に見えるということか。
自分の生きづらさの痕跡が、他人には『自由』に見えるというのもなんか皮肉な話。


がんばらないといけない、
我慢してこそ、
no pain, no gain
悩んで焦って考えて頑張ってきたけど

やっぱり、我慢やがんばり第一の人生は、自分には必要ない。
成長、進化、精錬は
楽しいから好きだからこそ。
好きこそ上手なれ。

辛苦、忍耐、努力は他者からの評価にすぎないし
本人には無意味だ。

嫌なら辞めていい。
我慢しつづけるくらいなら捨ててしまっていい。
やりたいことがないならそれでいい。
日々の生活を楽しく、
環境に感謝して、
過ごせたらそれで十分だ。


ああ、こういう思想を自由と呼んでるのか。世間のあなた方は。



2021/11/08

なつかしい匂い


先日の衆議院選挙、の投票会場にて。

会場は、小学校。

なんか懐かしい匂いがする。

と私がクンクン嗅いでる少し前方を、小さな男の子とそのお母さんらしき二人組が歩いている。

男の子は、自分の通う学校にお母さんと一緒にいることが嬉しいのか、あれこれと学校の説明をしている。

投票場所である体育館の前まで来て、お母さんが言う

『よおし。お母さんは、投票するぞ。』



親子と一緒に、私も体育館の中に入る。

男の子と目が合う。普段ならにやっと笑ったり、サービスするけど私の頭の中は投票と懐かしい匂いの出元でいっぱい。

すまん、少年。今は余裕がない。



投票を済ませて、工房で作業を始めてからふと思い出した。

そういえば、自分もあの男の子と同じ年の頃、なんかの選挙で自分の通う小学校まで母親と一緒にきたなあ。

でも、自分は選管のおじさんに止められて入り口でウロウロしたり飼育小屋のウサギ見に行ったりしてた。

今頃気づいたけど、あれはきっと母親の社会教育だったんだ。



あのお母さんも、自分の子供に選挙の仕組みやこの国のリアルな民主主義とかを見せたかったんだ。

で、お腹に力をいれて投票に臨んでたんだな。

その力がたぶん私のところまで届いたんだ。だから、会場を離れたあとも私の耳にお母さんの声が残ってたんだ。


果たしてこの国の民主主義が、本来の民主主義として機能しているのかは疑わしいが。

いろんな想いがこもって、自分も腹から声が出てしまうだろうな、もし自分があのお母さんなら。

でもその力が子供に届くのは、おそらく10年後、20年後かもしれない。届かないかもしれない。





考えて、行動して、その自分のコアにある想いが誰かに(もしくは社会に)響くのはずっと先。届くことすら叶わないかもしれない。

今の自分の仕事に似てる。


自分がなぜ今の仕事を選んだのか。

自分は何を目指して進んでいくべきなのか、を思い出させてくれた。



あと、懐かしい匂いの出元はキンモクセイ。だったと思う。



2021/10/17

 私の作業場、いわゆる工房は山の中にある。

工房のすぐ三方を山に囲まれ、すぐ横に川が流れる、自然豊かな場所。

訪れた人はみな、いい場所ですね、と言ってくれる。


でも。

ここで生活するのは、はっきりいってしんどい。というか怖い。

川の音、虫の声、動物の鳴き声、虫の羽音、風が木を揺する音、雨音。

特に真っ暗な夜に聞くと怖い。

全ての命が、音になって四方から襲いかかってくる感じ。

慣れていない頃は、すぐ顔の横に川の水が押し寄せてきたか、と夜中に発狂しそうになってた。


人間界では、害虫と呼ばれる虫もたくさん来る。

特大の蛇、ネズミ、ムカデ、その他都会生活では見たことない生き物もいっぱい。


春頃から秋にかけて、そういった虫や小動物の生死を毎日目の当たりにしてると、

人間の生死も同じようなもんか、と考えてしまう。

ただ、生まれて死んでいく。それだけ。


自分もいつここで死んでもおかしくないような気がしてくるし、

死んじゃうなら、それはそれでいい。

それは、”人は自然に生かされてる”、というよりも、

”自然はいつでも俺を殺せる”、という感覚。

その感覚が私は、なぜか大好きで、じゃあ頑張って生きてみるか。

少なくとも殺されるまでは、マイペースで生きてみようか、と。

そして、自分は生き物として(人として、ではなく)どう生きて死んでいくのか、

と考えるようになる。



となりの大家さんの飼ってる犬(柴犬)が、その答えを知ってると思うんだな。

奴は知ってる。絶対に。

教えてくれないけど。



スプーン製作。

 


4年ほど前から、スプーンを作り始めて。

それから地味に地味に、折を見てコツコツと。スプーンを作る。


当初は右も左もわからないので、

とりあえず自分の気に入ってた既製品のスプーンをコピーするところから。

でも出来上がるのは、見た目にもブサイクで使い勝手もよくないモノばかり。

コピー元のスプーンにはるかに及ばない。


これではイカン。

モノマネはもういい。自分の欲しい形、サイズで作ろう。

コピーをやめて、ただ自分が欲しいスプーンを作り、

ときにはお客さんの要望に合わせて作る。


ようやく自分なりの形、満足いく作品ができるようになった。

数年かかったけど、これがマイスプーン。と思えるモノが作れるようになった。


で、ふと気づく。

自分で考えて、生み出したスプーンと思っていたモノが、

一番最初にコピーしてた既製品のスプーンに形がもうそっくり。瓜二つ。


自分で大笑いしたあとにちょっと感動した。

:自分で心からいいと思ったものは、無意識下に定着する。

そしてそれは本人の知らぬ間に、タイミングをみて自ら表出してくる

:自分の考える”良いモノ”を既に誰かが作り、製品化し、世に広めている

という事実に出会えたから。



不器用にでも、見返りがすぐに返ってこなくても

とりあえず続けていればこそ。

わかることがある。て言われたな。


この仕事、本当におもしろい。

続けていれば、もっと面白いことがたくさんあるんだろうなあ。

楽しみだ。




2020/09/16

photos

i still take photos (not as a photographer) of my works.

in need of my woodworking job. 

both the moment of taking pics and the moment of viewing them, 

i often go down deep of myself. the moment i love and hate.

completely different from the moment of woodworking, kind of peaceful, i guess.


but i know, all the things i learned in my life will come together. someday.

 



最近は仕事用の写真をちょくちょく撮る。

ので、参考に以前好きだった写真家のサイトも見てみる。

昔の(写真をやってた頃の)感覚を思い出してしまって、なんかソワソワ。






あの頃は、言葉にならなかった自分の中の焦りとか妬みとか。

体のなかに湧いてくるのがなんとなく感じ取れる、今は。

今はなんとなく自分がどう感じているのか、が俯瞰的にわかる気がする。


そして、昔と同じように今もドキドキしている。


木工やってる時の感覚とは全然ちがう。


今、撮ってる写真をみてみたら

昔の写真とは違うかな。なんとなく。






















なにをやるにせよ、やってること考えてることは

いつか一つになる、と。


誰かに言われた言葉をずっと噛み締めてる。


死ぬまでにひとつになるといいなあ。



2020/05/21

appreciate what you have now.

3月 暗鬱な日々がつづき
4月 気分がおちこむ


世界中がそうなのだろう
と同時に
世界中になんとかせねば、と
思うひとびともいる。


ならばいまの自分になにができるのか、
と考え出す余裕ができて
アイデアがひとつふたつと浮かぶごとに
気が晴れていく。

自分がいま欲しいもの、
『せめて食事の時間くらいは心から安らぎたい。
あと微細でもいいから刺激。』
を作ろう。


カフェでキッチン用品の展示販売会。
早い方がいいだろう。
準備できてないけど。

歩き出して走り出して息が切れて。
それでも数ヶ月ぶりに、生活してる実感が。

動き出してからも
思い悩む時間が増える

自分の行動は正しいのか。
自分の思いはすこしでも伝わるのか。

とりあえず今、悩んで考えるきっかけと時間がとてもありがたい。

今あるものに感謝。

ああ、ひさしぶりに思い出した言葉。