先日の衆議院選挙、の投票会場にて。
会場は、小学校。
なんか懐かしい匂いがする。
と私がクンクン嗅いでる少し前方を、小さな男の子とそのお母さんらしき二人組が歩いている。
男の子は、自分の通う学校にお母さんと一緒にいることが嬉しいのか、あれこれと学校の説明をしている。
投票場所である体育館の前まで来て、お母さんが言う
『よおし。お母さんは、投票するぞ。』
親子と一緒に、私も体育館の中に入る。
男の子と目が合う。普段ならにやっと笑ったり、サービスするけど私の頭の中は投票と懐かしい匂いの出元でいっぱい。
すまん、少年。今は余裕がない。
投票を済ませて、工房で作業を始めてからふと思い出した。
そういえば、自分もあの男の子と同じ年の頃、なんかの選挙で自分の通う小学校まで母親と一緒にきたなあ。
でも、自分は選管のおじさんに止められて入り口でウロウロしたり飼育小屋のウサギ見に行ったりしてた。
今頃気づいたけど、あれはきっと母親の社会教育だったんだ。
あのお母さんも、自分の子供に選挙の仕組みやこの国のリアルな民主主義とかを見せたかったんだ。
で、お腹に力をいれて投票に臨んでたんだな。
その力がたぶん私のところまで届いたんだ。だから、会場を離れたあとも私の耳にお母さんの声が残ってたんだ。
果たしてこの国の民主主義が、本来の民主主義として機能しているのかは疑わしいが。
いろんな想いがこもって、自分も腹から声が出てしまうだろうな、もし自分があのお母さんなら。
でもその力が子供に届くのは、おそらく10年後、20年後かもしれない。届かないかもしれない。
考えて、行動して、その自分のコアにある想いが誰かに(もしくは社会に)響くのはずっと先。届くことすら叶わないかもしれない。
今の自分の仕事に似てる。
自分がなぜ今の仕事を選んだのか。
自分は何を目指して進んでいくべきなのか、を思い出させてくれた。
あと、懐かしい匂いの出元はキンモクセイ。だったと思う。